世間でよく勘違いされている話に秀吉の草履取りの話がある。
信長の草履を懐にいれて暖めていたというアレだ。
アレは実際のところ、石段の上に座ってると寒いので草履の上に座ってたにすぎない。
しかも座んなよと釘を刺されていたのにも関わらずだ。
まあ、その前に初対面の秀吉にいきなり土足で蹴りつけるというエキセントリックなプレイをしていた信長なのだが、彼はバカではあっても鈍くはないので草履が温かいことに気づく、すると
当然
「てめー座ってやがったな。はい切腹。」という流れに。
で、そこで秀吉は嘘をつくわけ。
「いや、ちがうんすよ。これ懐に入れて暖めていたんです。殿が寒いかなーと思って。ほらほら証拠の痕。」
そこには、信長が蹴った痕が残ってるわけ。
で、度胸と機転を気に入られて抜擢されるっつーお話。これも信長じゃなきゃ許されなかったわけで、信長の度量と秀吉の才知が両方でてるっつーお話なのね。
これが何時の間にか社畜礼讃みたいな話に変わったのか意図的なものを感じざるを得ないけど、現代で喩えてみるとよくわかる。
新人「社長!お寒いと思って靴、僕が服の中で温めておきました!」
もうダメっていうか、普通に気持ち悪いっていうか。気性の荒い信長に斬られなかったのはマグレとしか思えん。
組織のなかで媚びへつらってれば出世できるなんて嘘だからな。
丹羽亮仁
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