弥富又八です。
「明日死ぬなら」か・・・
演劇やバンドの本番を20年以上繰り返した来た僕は「今なら死んでもいい!」なんて特殊な感覚を幾度も味わってきましたが・・・
たぶん最期を迎える時には自分が作った演劇やライブの映像を見ると思います。終わった作品の記録はその時のためにとってあるのでね。
次に行かなきゃって常に思っている今は過去をうまく振り返ることができないのです(^^)。
というわけで、ヨボヨボしながら自分のヤツを全部見終わってしまい、
「あれ?まだ命が残ってるの?・・じゃあ・・・」ってときにもう一度見ておきたい映画ベスト3を紹介します。
その1) 『不思議惑星キンザザ』
古い映画です。それも旧ソ連で作られた映画。これをはじめて見たときは「ブレードランナー」「未来世紀ブラジル」なんて作品と並べられて
カルト映画とジャンルづけされていました。
藤子F不二雄で育った僕にとってSF映画は既知のマンガが実写になったって感じで「バックトゥザフューチャー」にしろ「ET」にしろ大きな驚きはなかったんですが・・
さて、キンザザ。
よくあるタイムスリップの大げさな演出の代わりに「プン!」と世界が変わります。流線型のマシンなどは現れずゴロゴロと音を立てる釣鐘のような乗り物。
中から出てきた異星人は汚れたおっさん。マッチ一本が超高価なワープマシンと同じ価値があり、ド下手な歌が「素敵!」と、
その 世界の王に会える切符になる・・・なんとも地球人と異星人のファーストコンタクトは「ガッカリ」な価値観に満ちています。
藤子Fの方式ではダメな存在が異世界では大活躍!となるんですがここではそうでもない。
主人公はガッカリ世界でため息を吐きながらガッカリし続けるのです。
子どもの頃によく見た夢に似ているかも。
小学校の教室で夕方、突然覚醒する。薄暗い室内に焦って早く家に帰らなきゃと教室の扉を開けると、
大量の一円玉が教室いっぱいにザー!っと流れ込んでくる。 山盛りの一円玉から泳ぎ這い出るように顔を出した時、
何者かの低い声が聞こえます
「一円玉すべてを数えなさい。金額に間違えがなければ教室から出してやろう」
・・・もう、うんざり途方に暮れてウントホホです。
砂漠の世界で語られる不思議惑星キンザザにはそんな不安を映像化した作品です。
しかし大好きな作品。
なんといっても音楽がいい!欝に開き直ったようなメロディーに「クー」とか「キュー」と間抜けなため息が挟まれる。
現実の慌しさから逃避して至った精神世界は、ガッカリするほど広すぎて
常人の尺では計れないような気持ちいい「しょうもなさ」に溢れています。
必見!とみなさんにお勧めはしません。初めて見て感激して周りの人に勧めたら反応はイマイチだった・・って寂しい傷も持っているのでね(笑)
でも僕にとってはかけがえのない超名作です。
数年前にAMAZONでDVDを購入し、死ぬ前(くらい)にしっかり見てやろうとテレビの横の目立つ場所に常にに立てていますから。
その2) 『いつかギラギラする日』・・・って、コーナーの尺を(その1)で大きくオーバーしてしまいました。この大好きなギラギラについてはまたいつか!
深作大好き!
弥富又八
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